あづま脳神経外科(福島市)

中堅看護師の定着と離職防止対策として多様な勤務形態を導入

3年以内の復職で退職金算定に加算
病床数 入院基本料 平均年齢 離職率 看護職員数
168 10対1 34.2歳 1.4% 正60人・准30人

新卒看護師が第一選択肢に希望する施設として、都市部の総合病院志向が強まっていることにくわえ、「診療報酬7:1」の影響で看護師の争奪戦に拍車がかかった影響もあり、民間の単科の病院であるあづま脳神経外科では、新卒者の確保が大きな課題となっていました。

新卒者の採用割合が低下すると、中途採用の看護師に頼らざるを得なくなりますが、当時の同病院には中途採用者に対する教育体制や働きやすい環境が整備されておらず、離職者が増加してしまうという悪循環に陥っていました。

そこで同病院では、日本看護協会主催の研修「働き続けられる職場つくり」の受講を機に、スキルと経験が豊富な中堅看護師の定着と中途採用者の離職防止を目的として、副院長・看護部長のリーダーシップのもと、新しい勤務形態を構築しました。

以前から3種類のパート勤務、土日祝日に限定した夜勤専従などを導入していましたが利用者が伸び悩んでいたため、以下のように勤務形態を多様化することになりました。

  • 正規職員の枠組みを拡大(日勤専従、夜勤専従も正規職員に
  • パート職員の枠組みを拡大(個人の希望に応じて勤務日時を設定)
  • 夜勤時間の多様化と選択制の導入(17:00~9:00の当直勤務を追加)
  • 再就業制度の設定(退職後3年以内の復職なら、退職金算定に加算)

短時間正職員制度を導入後、育児や家事を理由に離職した職員はゼロに

小学校就学中の子供を持つ看護師を対象とした短時間正職員制度(週28時間~40時間未満)の導入に際しては、各種保険・手当の保障、福利厚生、人事考課はフルタイム正規職員と同様となっていますが、フルタイムの正規職員との不公平感をなくすため、同制度を利用している期間は退職金の通算年数から除外&賞与は性器の30%支給となっています。

勤務時間は日勤の8時間・準夜勤の12時間・深夜勤務の12時間・当直勤務の16時間が原則となっています。日勤帯は勤務時間を自由に選択することができ、夜勤についても、種類・回数を要望に応じて決められます。個人の選択によって組み合わせ、計28時間以上40時間未満の勤務になればよいというシステムです。

同病院の保育室は、法人(社会医療法人 秀公会)の敷地内に設置されており、産後ゼロ歳児から小学2年生までが利用可能で、小児科医との連携が充実しています。また、看護師が働きやすい環境づくりへの対応としてた職種との協働があります。他部門に看護業務の一部を移行し、看護師が本来の業務に専念できる環境を整えました。

2008年9月から新制度を導入した同病院では、1年後には中途採用の看護師数が前年度の1.4倍と大きな効果が見られました。また、制度導入後、育児などを理由に離職した職員はいません。

あづま脳神経外科:福島県 福島市 大森字 柳下16番地の1
脳・心臓の専門病院(脳神経外科、神経内科、循環器内科、心臓血管外科、小児科) / 二次救急病院

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