三萩野病院(北九州市)

育児中の中堅看護師の離職防止に向けた環境を整備

小倉北区は医療激戦区
病床数 入院基本料 平均年齢 離職率 看護職員数
181 7対1 32.7歳 9.8% 109人(パート含)

北九州小倉北区の中心に位置し、一般・急性期型病院として地域医療の一端を担っている三萩野病院。北九州市は政令指定都市における人口1万人あたりの看護指数が第2位であり、同病院端の中心部に位置することから看護師は非常に集まりやすい状況にあります。

しかしその反面、近隣地域には小倉医療センターをはじめとする医療施設が多く存在するため、他の施設の情報が得やすく、看護師の入職・退職が多く、なかでも看護部の中心を担う中堅看護師が育ちにくいという問題がありました。

中堅看護師の場合、リーダー業務が独り立ちする頃に結婚や出産、育児、家族の介護などのライフイベントが加わるため、家庭と仕事の両立が厳しいなどの理由で辞めるケースも多いため、同病院では以下のような取り組みを行いました。

夜勤回数・夜勤可能日の希望受け入れ
育児や介護などの家庭の事情に合わせて、看護師が希望の夜勤回数と夜勤が可能な日を申請すれば、ほぼ全てに応えられるようにしました。育児中の夜勤は平均して2~3回/月で、同病院は7対1看護師配置を取得しているため、夜勤時の精神的負担が軽減されています。また夜勤時に看護補助者を組み入れているため、夜勤回数の多い通常の看護師に対しても負担が軽減されるようになっています。

看護提供方式は1997年から固定チームナーシング方式で、同時期に2交代制を導入していますが、育児をしている看護師にも好評で、夜勤明けに連休を希望して子供と触れ合う時間を増やすことができたなどの声が聞かれます。

場合により夜勤免除
諸事情から夜勤ができないとの申請があれば、所定の手続きのもと数ヶ月から数年間(特例対応)夜勤が免除され、正職員のまま勤務することができます。通常の夜勤を行っている正職員との評価差は賞与のみで対応し、その他の処遇に違いはありません。一見すると不公平感がありますが、夜勤者の人的サポート(看護補助者の夜勤組み入れ)など早めの対処をしているため、現場から不満の声は挙がっていません。

育休100%、復帰100%のためのサポート
産休から育休へ移行した時期に合わせて、看護協会のニュースや同病院の週情報(行事予定・共済関係・医療安全や感染防止情報など)など院内外の医療情報をダイジェスト形式にまとめて、看護部長の一筆を添えた上で定期便として郵送しています。

育休からの現場復帰の希望を受けると、体調管理を重視した復帰前看護部オリエンテーションを半日ずつ3回実施し、復帰後は実務的内容に特化してシャドウ研修を1日、残り2日間は医療安全・感染防止など、休養期間中に変化や進化した内容の講義を実施しています。

職場への復帰後は、日勤リーダーではない日に出勤時間の希望を取り入れています。例えば火・水曜日は日勤入りを1時間遅くしたいなど、自由度があるという安心感で復帰不安の軽減を図っています。

休みが取りやすい、早く帰りやすい職場風土づくり
育児期間中は周りの目が気になってなかなか取得しにくい有給休暇の消化率アップや早く退勤することを「良い習慣」として定着させるため、10年以上にわたり職場の風土改革に取り組んできました。

勤務時間は、日勤時間が8:30~16:30までの8時間で、実質勤務時間は7時間労働のため、午後の3時間における業務配分がどうしても多くなり特に午後は多忙を極めます。そこで、看護職員の20%を占めるパートの希望勤務時間(日別・週別の希望に100%対応)をフル活用したり、リリーフ体制による繁忙時対応(電話一本で即時対応、お互い様精神)を行うなどの工夫によって、看護の質を担保しています。

15:30に30秒間全館放送される「トルコ行進曲」を合図として、各自が受持ち部屋を訪問し様々なオーダーを受けるなどニーズの先取りを実施し、併せてベッド周囲の簡単な環境整備を実施しています。導入直後から患者さんから高い評価を得ており、日勤終了時に集中していたナースコールが激減し、波及的に日勤者の退勤が早くなりました

これらの取り組みの結果、2004年には18.8%あった看護部の離職率は2009年には9.8%(新人1年以内はいずれも0%)となり、同じく2004年には73.5%だった有給休暇取得率も2009年には95.8%にまで高まりました。

三萩野病院:福岡県 北九州市 小倉北区 三萩野1丁目12-18

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