北野病院(大阪市)

出産・育児・進学の際に働き続けることができるワークライフバランス制度

京大医学部と深い関係のある医療機関
病床数 入院基本料 平均年齢 離職率 看護職員数
707 7対1 30.8歳 15.5% 682人

スキルと経験の豊富な看護師が育児や介護などの家庭の事情や大学院進学などの岐路に立ったとき、現場を離れることなく、働き続けることができる選択肢を提供したいという目的で導入されたワークライフバランス制度。

これは短時間勤務を希望する看護師が勤務日数、勤務開始・終了時間、勤務形態等を選択できるもので、適応の基準は子育てや進学などに限定せず、例えば「短時間勤務でリフレッシュしてからフルタイム勤務に復帰したい」という場合にも対応しています。この制度を利用し、契約した職員(短時間正職員)の数は毎月変動していますが、30名前後が在籍しています。

北野病院の賃金は年俸制を採用していますが、短時間正職員を希望した場合、16等分して月給制とし、うち4か月分を夏冬ボーナスとして受け取る、あるいは毎月均一に受け取るなど、本人が選択できます。福利厚生についても、労働時間に応じた額で、総労働時間の4分の3以上働く人は受給することができます。

ワークライフバランス制度の利用者からは、「子供を学校に送り出してから出勤でき、安心して働くことができる」、「出産でフルタイム勤務は難しいが、何もしないでいるとこれまでの経験がもったいない。働ける時間を選べる勤務なので、二人目の出産後もこの契約で働きたい」との声が聞かれます。

この制度を導入後、30代の既婚者の離職率は13.6%(2006年)→11.5%(2008年)、20代は30.6%(2006年)→27.5%(2008年)とそれぞれ低下がみられます。全体の離職率は15.5%と大阪府の平均17.3%よりも低いものとなっていますが、病院側は働き続けたい看護師のニーズに応える更なる施策が必要であるとしています。

また、勤務時間の希望については、結婚・育児にともなう夜勤免除の希望が多くなっていることも今後の課題になるであろうとしています。夜勤専従の希望があれば受け入れている状況ですが、その数が多くなれば勤務表作成の際の負担も少なくなるでしょう。

休職後の復帰の際にはフリー看護業務で勘を取り戻す

1年間育児休暇を取得せず、半年から10ヶ月間ほどワークライフバランス制度を利用してから通常勤務に復帰する看護師が増えています。院内保育所も完備しており、年度途中でも受け入れ可能なため、重宝されています。

休職後の復帰の際には、ケア不足の病棟を応援するフロートナースとして業務担当副部長の管理下で超勤のないフリー看護業務を行います。これは、休職ご復帰間もない時期に看護の勘を取り戻す点でも、子供の急病の際にも休みをとりやすいなどの点でもメリットがあります。

同病院に勤務する看護師の平均例は31歳弱で、結婚・出産が相次いでいます。経験5年前後の能力のある看護師が結婚・出産で退職することは、病院側にとっても大きな損失ですし、退職した看護師も新たな医療機関で、育児をしながら適応するのは大変です。そのため、同病院では、産休前から、産休・育児休暇後の復帰を視野に入れて、面接の中でワークライフバランス制度を踏まえた調整を行っています。

北野病院:大阪市 北区 扇町2-4-20
総合病院 / 三次救急医療機関 / 地域周産期母子医療センター / がん診療連携拠点病院 / 地域医療支援病院

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