聖隷浜松病院

事情により短日(週3・4日)と短時間(1日6時間)勤務を選べます

夜勤専従の充実が課題
病床数 入院基本料 平均年齢 離職率 看護職員数
744 7対1 30.0歳 10% 776人

浜松医科大学医学部附属病院、浜松医療センター、聖隷三方原病院と並んで、静岡県西部における中核医療機関の役割を担っている聖隷浜松病院では、同病院における看護師の退職理由の4割を占める「結婚・出産・育児」への対策、ワークライフバランスの推進の一環として、「短日・短時間勤務」制度のテスト導入を行っています。

制度利用者には、正職員としての身分と待遇(実働時間に合わせた給与と賞与、退職金制度・社会保険の適用)が保障されているのが、非常勤職員との大きな相違点です。対象となるのは小学校就学前の子供を持つ看護師で、それぞれの事情に応じて、短日勤務(週3日or週4日)か短時間勤務(週4.5時間or週6時間)を選択することができます。

そのほか、リーダー業務の免除、夜勤は希望曜日のみに限定などの配慮が行われます。育児中の看護師は、短日・短時間勤務制度以外にも、1日1時間まで労働時間を短縮できる育児時短時間勤務など可能です。

同制度を利用している看護師の多くは育児休暇前に所属していた部署に配属されるため、順応に時間を要さないのが利点です。一方、勤務経験の浅い制度利用者は部署や業務に慣れるまで時間がかかることが予測されるため、それぞれに応じた教育プログラムやオリエンテーションを実施したり、看護部管理室に短日・短時間勤務制度の担当者を置き、同僚や職場長にいえない悩みの相談をできる体制を整えています。

同様の制度が整っていない時代に育児を行ってきたベテラン看護師から理解を得ることはもちろん、部署の中核を担う中堅看護師、負担が増える可能性のある若手看護師の不満に繋がらないように、説明会や意見交換会、他の病院から講師を招いた講演会などを頻繁に行うなど、看護師間の「意識改革」を徹底してきました。

これらが功を奏し、制度利用者のいる部署からは「いてもらって助かる」「相手を思いやる職場風土づくりができてきた」など積極的な評価が多く見られます。その一方で、「夜勤をする人の負担がかなり増えそう」「看護サービスの質の確保はどうするのか」と言った意見や、制度利用者自身からも「(周りに負担をかけて)申し訳ない」「迷惑をかけないように」などの声も聞かれます。

部署における夜勤者の確保が難しいため、夜勤専従制度の整備が課題

聖隷浜松病院では、短日・短時間勤務制度を導入する以前から、診療科を超えた患者の受け入れ、看護必要度の高い部署への応援体制の充実など、スタッフ全員で支える仕組みづくりが推進されてきました。また、体調や家庭の事情に応じて、2交替か3交替を選択できる体制の整備、休暇の取得推進などが、ワークライフバランスの充実を目指してきました。

3歳児までを対象とした院内保育所も設置しています。保育所では、職員の急な事情に対応できるように、入園児以外の一時預かりの体制もあります。現在は現場のニーズに応えるため、保育所の対象年齢の拡大や夜間甥区の開設などを検討中です。

短日・短時間勤務制度には、月3回以上の夜勤実施要件がありますが、同じ部署に制度利用者が2人以上いると夜勤者の不足が問題となり、勤務表作成が難しいとの声があります。夜勤者への配慮、働きやすい環境づくりに加え、夜勤専従制度の整備・充実も必要とされています。

聖隷浜松病院:静岡県 浜松市 中区 住吉二丁目12-12
地域医療支援病院 / 地域がん診療連携拠点病院 / 総合周産期母子医療センター / 地域肝疾患診療連携拠点病院 / 救命救急センター

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