三友堂病院(米沢市)

診療報酬改訂(7:1)を機に看護師に選ばれる病院づくりへ

離職率は大幅に低下
病床数 入院基本料 平均年齢 離職率 看護職員数
190 10対1 34.0歳 4.1% 正128人・准18人

2006年の診療報酬改訂(7:1看護)の結果、全国で看護師の確保に向けて動きが活発化し、経営資本に余力のある都市部の大病院を除き、中小規模の多くの病院では慢性的な看護師不足に悩まされることになりました。

山形県米沢市の三友堂病院においても、2006年の離職率が16.7%と過去最高を記録し、離職者のおよそ半数が大学病院などへの転職組、次いで結婚・出産・育児の関係での離職が2割を占めるに至りました。

同病院では看護学校(三友堂病院看護専門学校)を併設していますが、大都市志向が強い卒業生の多くは、都会の大病院や大学病院に就職してしまいました。その結果、この年度は採用者数も少なかったため、10:1看護をようやく取得できたという状況でした。

看護職員の離職防止と定着が急務となった同病院では、ワークライフバランスの充実により、看護師から選ばれる病院になるための施策のひとつとして、短時間正職員制度の導入に踏み切りました。現在では全体の1割強の看護職員が同制度を活用しています。同院における制度の特徴は以下のようになっています。

  • 1週あたりの勤務時間は20時間以上
  • 勤務パターンは自由
  • 1つの業務を複数のスタッフで分担するワークシェアリングに対応
  • 制度の適応対象は育児・介護だけでなく、資格取得、ボランティア活動などでもOK

制度導入後、離職率は16.7%(2006年度)→12.6%(2007年度)→4.1%(2008年度)と4分の1以下となりました。制度利用者からは「賃金・福利厚生などの待遇面で満足」「仕事のやりがいも満足」、また看護師長からは「日勤の層が厚くなるのでケアが行き届くようになった」「新卒者よりも指導が容易で、インシデントが少ない」「チームとしての結束力が高まった」などのポジティブな意見が多く聞かれます。

この制度の利用者が今後急増した場合、夜勤専従者を置き、夜勤体制を充実させる工夫が求められると予測されます。

離職防止と定着を図るためその他の対策も実施しています

三友堂病院における育児休業制度取得率はほぼ100%です。近隣保育所と契約し、24時間対応で業務委託を行い、保育料の半額を助成しています。その他、看護師の離職防止・定着を目的に以下のような対策を実施しています。

  • 待遇改善(平均8%の昇給)
  • 認定・専門看護師の取得支援制度
  • 各種学会・教育・研修活動への参加奨励
  • 本人・家庭の事情による夜勤免除制度
  • 労働環境・満足度調査
  • 業務量調査(業務の見直し・改善、ワークシェアリング、他職種の連携など)

三友堂病院:山形県 米沢市 中央6-1-219
総合病院

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